こんにちは、NOEL-KITです。
第4回は、オーディオをいじってみます。制作を通して、基本的な録音・再生方法、そして少し工夫をした使い方を学んでいければと考えています。
また、今回も音を出すパッチですので、いつものようにMaxでの作業の際の注意を書いておきます。
注意
Maxで音を出すパッチを制作していると、「数字の指定ミスで大変大きな音量が出てしまう」「知覚できない周波数の音がでている」等、予想をしていない自体が起こることがあります(例: [*~ ]に0.1と1を打ち間違えると10倍の音量が出る等)。
大切な耳や機材を守るべく「ヘッドホンでの作業を控える」「大きな音量で作業しない」等、充分注意をしなくてはいけません。
また、パッチ側で出来る音量対策の1つとしてアウトプットの前にリミッターを入れておくという方法があります([live.gain~]がデフォルトで+6db=200%の音量が設定できるため後段にセットしてあります)。
もちろんこれが完全な対策というわけではありません。作業の際は充分注意の上、ご自身の責任で制作を行ってください。
4-1-1 オーディオ録音・その1
[sfrecord~]を使用した基本的な録音の方法です。(open)をクリックしてディスク内に録音ファイルの保存場所を指定します。
4-1-2 オーディオ録音・その2
[record~]を使用した録音の仕方です。こちらはメモリ内に音を保存します。この方法は、リアルタイム録音・エディットをする場合にとても便利です。
まず、メモリに録音場所を確保するために[buffer~]を使用します。指定している”foobuf”はバッファーの名前です(任意の名前を指定できます)。そして[record~]にも同じ名前を指定することで録音が出来ます。
また、[buffer~]に接続してある(size $1)で録音する長さを指定します。msec.単位ですので、1000msec.で1秒になります。
パッチでは波形を視認できるように[waveform~]を使っています。
接続されている(set)で表示するバッファー(今回は foobuf)を指定します。
また、第2インレットで表示する全体の長さを指定できます。
4-2-1 オーディオ再生・その1
[sfplay~]を使用した基本的なオーディオファイルの再生方法です。(open)をクリックしてディスク内のファイルを読み込みます。
4-2-2 オーディオ再生・その2
[groove~]を使用した再生の方法です。こちらは[buffer~]に読み込んだ音を再生します。[buffer~]に指定している、
- “foobar”はバッファーの名前
- “1000”はバッファーの長さ(100msec.)
- “2”はチャンネル数
です。
接続されている(read)や(replace)をクリックしてディスク内のファイルを読み込みます。両者の違いですが、(read)は指定している長さ(今回は1000msec.)分だけ読み込みます。(replace)は指定している長さにかかわらず、ファイル全体を読み込みます。
そして、[groove~]にも[buffer~]と同じ名前・チャンネル数を指定することで再生ができるようになります。[groove~]は接続されている[sig~]で再生のピッチの管理ができます。
- “1”の場合、通常速度で再生
- “2”の場合、倍の速度で再生
- “-1″の場合、通常速度で逆再生
- “0”の場合、再生されません
今回は、[buffer~]が読み込み完了時に第2アウトレットからbangを出力するので、そのタイミングで[info~]を叩きバッファーの長さの情報を取り出しています。
[info~]は他にも様々な情報を取り出すことができ、よく使われるオブジェクトですので、覚えておくととても便利です。
4-3 オーディオ・ランダム再生
では少し工夫して、読み込んだ音をランダムに再生してみようと思います。
このパッチでは、再生の開始位置と終了位置をランダムにしてみました。[waveform~]は第3・4インレットがそれぞれ開始・終了位置の指定です。
今回は視認できるように[waveform~]を介していますが、ご自身で制作を始めパッチを軽くしたい等要望が出てきた場合は、[groove~]の第2・3インレットに直接接続しても構いません。
また、[groove~]に接続している[sig~](再生スピード)をランダムにしてみるのも面白いです。
4-4 ドラム+ベース+リアルタイム録音再生
これまでこの初級講座で作ってきたシーケンサー・ドラムマシン・ベースシンセと今回のパッチを組み合わせてみました。
“キック”と”スネア”と”ベース”をリアルタイムに録音し、再生位置をランダムに切り替え、トラックに重ねています。
いろいろな組み合わせ方がありますので、ぜひ自分なりの組み合わせを考えて試してみてください。
次回はエフェクターを作ってみようと思います。どうぞよろしくお願いします!
掲載パッチダウンロード
*Maxをお持ちでない方もMax Runtimeをインストールすることでパッチを動かすことが出来ます。
次回もどうぞよろしくお願いします。
さっそく使わせていただきました!
以下、ハットではなくキックでした^^
>“ハイハット”と”スネア”と”ベース”をリアルタイムに録音し、再生位置をランダムに切り替え、トラックに重ねています。
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ありがとうございます!記事早速修正しました!
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