ランダムコラム#1 Maxで歪みをデザインする

Katsuhiro Chibaです。春の足音が聴こえはじめた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょう。日々Maxしてますでしょうか。今回取り上げるのは歪みです。
ゆがみじゃありませんひずみです。


『歪み=倍音付加』

Maxの歪み系オブジェクトというとoverdrive~やtanh~、デジタルクリップならclip~が良く使われるところだと思います。overdrive~は名前の通りオーバードライブ、アナログアンプに過大入力を行ったときのようなウェーブ・シェイピング(波形変形)を行います。tanh~は本来は双曲線関数、hyperbolic tangentですが、やはりアナログ的な温かみを与えるウェーブ・シェイピング、もしくはソフトクリップの類として使えます。

これらのオブジェクトにサイン波をぶち込んでスペアナ(spectroscope~)で見ると、発生している倍音を見ることができます。

chi6a_random1_overdrivechi6a_random1_tanh

よく見ると、入力している1kHzのサイン波に対して、3k、5k、7k…と奇数倍音が発生していることがわかります。大雑把に言って、この適度な歪みによって付加される倍音が、アナログ風味の正体です。


『チューブ・サチュレーション』

一方で、歪みといえばチューブ・サチュレーションつまり真空管アンプによる歪みが人気で、このいわゆるチューブ・サウンドをエミュレーションするプラグインなどは定番ですよね。この特徴は奇数倍音だけでなく、偶数倍音が含まれることです。overdrive~やtanh~は偶数倍音が発生しないので、アナログ風味ではありますが、チューブ風味ではないと言えます。
では偶数倍音を得るにはどうしたらいいか。

じつは波形のプラス側とマイナス側で非対称となるウェーブ・シェイピングを行うことで偶数倍音が発生します。逆に言えばoverdrive~やtanh~は対称であるということです。これをふまえて、次のようなパッチを作ってみました。

chi6a_random1_tube1
このパッチではoverdrive~を使っていますが、入力波形の極性を判定してプラス側・マイナス側で異なるパラメーターを設定したoverdrive~を通るようになっています。発生している倍音を先程と同じくスペアナで見ると・・・偶数倍音が付加されました!

ただ、このままだとDC成分が発生してるので、ハイパスフィルターを追加してみます。

chi6a_random1_tube2
いい具合です。ちなみに聴感上も、なんとなくチューブっぽさ!な音です。

実際のチューブ・サチュレーションはもっと複雑な振る舞いをしていますが、チューブっぽいのがベストであるとも限りません。好みの音だったら良いわけで、そこがデザインでございます。
そんな感じで、みなさまのDSPライフのお役に立つことを願っております。

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